リスクから学ぶ不動産投資

ここ数年で『不動産投資』という言葉は急速に一般的に聞かれるようになりました。こちらでは、不動産投資におけるリスクについて、当社ガイドより、わかりやすく説明しております。現在の市況を踏まえた実践的で有益な情報を提供してまいりますのでぜひご覧ください。
賃貸アパートやマンションを保有し、大家さんとして賃貸経営する、いわゆる実物不動産投資のリスクは、市場環境リスク流動性リスク用途別リスクエリア別リスク建物リスクテナントリスク法務リスク税務リスク法規制リスク開発リスク天災リスク経済リスク等、が存在します。このうち賃貸経営に影響の高いと思われる項目を抜粋して解説して参ります。

市場環境リスク
賃貸経営も含め投資全般にいえることですが、収支に最も強く影響するのは需給関係です。つまり借りたいという需要と貸したいという供給のバランスで価格(賃料等)が決まり、そのことが結果として収支の良し悪しを左右することになります。不動産の場合、長期的な需要はその地域の人口と居住者の属性(家族構成や収入層など)、それから社会的な景気動向が大きく影響します。 リスクを少しで軽減するために、日頃から地域の人の動きや物件の供給状況への目配りが肝要であると考えます。

流動性リスク
賃貸住宅やオフィスの流動性リスクは、現物不動産投資を行う上で背負った十字架(最大のデメリット)です。投資を行うにはセオリーとして、資産自他が守られる度合いを示す「安全性」、どの程度の収益が期待できるかを示す「収益性」、出口戦略として現金化のしやすさを示す「流動性」の3点の指標を確認する必要があります。不動産の特質として、「安全性」や「収益性」は比較的良いのですが、「流動性」は取引に様々な規制があり、また多額の費用を要することから劣る面があります。つまり売却したいときに、すぐに換金できないというリスクがつきまといます。ですから取得する賃貸不動産が、短期的又は中長期的に保有するかにより、3つの視点に注力していくことが必要不可欠です。

建物リスク
賃貸不動産のグレードには建物そのもののグレードと設備のグレードがあります。グレードが高い物件は資産価値が下がりにくいものです。建物は新築後少しずつ老朽化していきます。また建物だけでなく設備、外回りも同様です。そのために、長期修繕計画等を作成することが大切です。小規模なアパートの大家さんは、計画的に準備をしている方が少ないのが実情ですし、維持管理コストを安くすませたいという大家さんが殆どですが、入居者の生命・財産・健康を保全する事を重視した維持管理に力を入れてこそ資産価値が向上するものです。

テナントリスク
賃貸マンションやアパートも同じですが、貸店舗や貸しビルの場合、テナントの良し悪しで空室率も変わってきます。経営状態が安定しているテナントは賃料の滞納リスクも少なく、事業継続も見込めるため、長期間安定した入居が期待できます。つまり入居者の質を高めること、優良なテナントを集めることで、このリスクを軽減することができます。また、建物の立地条件などがテナントのニーズに合っているか、どのようなニーズが見込まれるかも考慮したうえでテナント募集を行う事がリスク回避につながります。老朽化した建物をリノベーションして、設備をグレードアップしたテナント募集の建物が周囲に増えてくると賃料相場が下落してくると共に付加価値を求めてテナントが流れていきますので注意が必要です。  


法務リスク
賃貸オーナーに関係してくる法律は民法・借地借家法、区分所有法などがあります。 近年は家賃滞納問題、家賃増減額の問題、懇親料の問題、立ち退きや立ち退き料の問題、敷金や保証金の問題 など賃貸借契約をめぐるトラブルが頻発しています。 その中でも家賃滞納と敷金返還トラブルが多いのが現状で、場合によっては宅建業法や消費者契約法などにお ける、『業者の説明責任に関する事柄』を賃貸オーナーが指摘されることもあります。 (家賃滞納問題) 家賃滞納問題は比較的起こりやすい問題だと言えます。実際に家賃滞納が起こった場合、賃貸借契約の中で「 2ヶ月以上滞納したときは契約を解除できる」という約款があったとしても、直ちに解除できるわけではあり ません。まずは滞納分の支払いを数回にわたり促し、また内容証明郵便ににて支払期限を明記して督促し、そ の後話し合いに応じなかったり、督促の支払期限までに滞納賃料を支払わなかった場合に、はじめて契約の解除 ができることとなります。法的手段で解決する場合は煩雑な事務手続きや費用、時間も掛かり賃貸オーナーに とっては多大な負担となります。 (敷金返還トラブル) 原状回復の意識の違いが敷金トラブルの多くを占めています。 原状回復とは、借りたときの状態の戻すことですが、真っ新な状態に戻すということではありません。この 原状回復をどちらが負担するかでトラブルが生じます。契約内容が明確であれば問題は少ないのですが、 あいまいさがあるとこじれてしまいます。 原状回復には東京都が定めたガイドラインがあり、賃借人が負担するもの、賃貸人が負担するものの事例が記 記載されており、近年ではこのガイドラインに沿って負担割合を決めていくケースが殆どです。

税務リスク
不動産に関する税制は毎年のように改正されています。 不動産保有することにより、毎年支払い義務の生じる固定資産税・都市計画税の変化は保有コストに大きく影 響します。また、軽減措置は期間が限定されたり、延長されたりするので注意が必要です。固定資産税の基と なる評価額は3年に1度見直され、評価替えが行われます。土地は公示価格の70%相当額、建物は建築費の 50%~70%見合いで評価されます。土地の場合、地価が上昇したり、評価基準が変更されたりすると3年 ごとの評価替えのときに評価が上がってしまい、税負担が重くなる可能性があります。 保有に伴う税負担の他に、売却する場合は所得税(譲渡所得)が課税されます。新たに購入する場合は不動産 取得税や登録免許税、相続や贈与した場合は相続税や贈与税等が課税されます。

経済リスク
銀行等から融資を受けている場合、またこれから資金調達したい場合、経済の動向により変動する借入金利は 賃貸経営を大きく左右します。現在は低金利時代ではありますが、今後金利がこのままである状態とは言い切 れません。水準として下がる余地はわずかですが、上がる余地は青天井の状況ですから、金利上昇に伴う金利 負担の増加をリスクとして認識する必要があります。金利水準は景気の善し悪しが大きく左右されます。金融 機関の対応も景気に大きく左右され、景気が悪いときには貸し控えや貸し出し条件の変更などが起こります。 また、変動金利の場合、金利上昇リスクがあります。増える金利を補える貯えや準備が必要ですし、低金利の うちに繰り上げ返済を検討し、金利上昇前に元金をできるだけ少なくする、あるいは完済することも一案です 。

 
ガイド
中込静次:不動産コンサルティングマスター、管理業務主任者、競売不動産取扱主任者、マンション管理士、相続士他多数の資格を有す。主に不動産全般のコンサルティング業務にかかわる。

白金エリアの賃貸はマスターズコーポレーションへ